りぼんの読書ノート

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モップガール 3(加藤実秋)

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モップガールスイーパーズに続く、3部作の完結編になります。

事件事故現場を専門とする清掃会社で働く桃子の特殊能力は、現場に遺された想いに感応するというもの。それは聴覚や臭覚や触覚の異常という形で顕れるものの、事件の真相まではわからないという半端な能力だったのですが、前作で死んだ父親の想いに触れたことから、グレードアップしています。

「素敵なサムシング」と名付けた完全な能力とは、事件現場の再現映像を幻視することができるものであり、桃子の能力を利用した「失せ物探し」サービスをはじめた清掃会社の業績は絶好調。せっかくの超能力をそんな使い方でいいのかという疑問も起こりますが、案の定、その能力が突然消えてしまいます。それは能力を濫用したせいなのでしょうか。しかもそんな時に限って、桃子たちは大事件に巻き込まれてしまうのです。

そういえば桃子の能力は、幼馴染の翔が働く清掃会社に入ったことで発現したのでした。どうやら能力の秘密は翔との関係にありそうです。しかし彼女が最後に見た幻視とは、今までとは異なって、翔が殺害されるという未来の出来事だったのです。果たして桃子らは、未来を変えることはできるのでしょうか。

最後はもちろんハッピーエンドで、能力をコントロールできるようになった桃子は、ついに翔とも結ばれることになりそうです。こんな能力を秘めた妻を持つ夫は、絶対に浮気などできませんね。

2017/9