りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

報復(ドン・ウィンズロウ)

イメージ 1

元デルタフォース隊員で、現在は空港の保安監督官として働くデイビッドが、飛行機事故で最愛の妻子を失う場面から物語は始まります。真相追及に動いたデイビッドは、この事故がテロリストの攻撃であるという明白な証拠を掴んだものの、現政権はテロ対策が功を奏していることを主張するために事実を隠ぺい。

政府の対応に絶望したデイビッドは、遺族に呼びかけて資金を調達し、かつての上司が率いる傭兵隊を雇って、自らの手で復讐することを誓います。厳しい訓練で再び身体を鍛え、わずかな手がかりを追って、テロリストたちの隠れ家や、秘密基地の襲撃に乗り出すのですが・・。

完全なミリタリー小説です。政府のテロ隠蔽とか、自ら銃を取って立ち上がるとか、失われた家族のための復讐とか、完全に右派アメリカ人の主張そのもの。彼らは、こういう小説に喝采をおくるのでしょうか。激しい訓練内容とか、ハイテク機器の説明とか、敵地での死闘などは、ハリウッド映画並みの面白さではあるのですが。

2017/4