地方局で配達員をしていた八橋鳳一に出された辞令は、まさかの東京の本省勤務。しかしそこは、エリート官僚集団は程遠い、これでもかというくらいの現場部門だったのです。いきなり手伝いに行かされた先で見たのは、40万円切手を貼った民家を巨大トレーラーで運ぶという信じられない光景。年下の美女ながら鳳一の直属上司となった桜田美鳥は、突然通行止めになった道路を迂回するために、皇居の「一番偉い人」に電話をかけて通行許可を取るという荒業を繰り出します。
さらには競走馬、盗まれたプルトニウム、感染症のワクチンなどを運ぶのですが、専用のスーパーカーどころか専用の新幹線すら保有するという、とにかく金に糸目をつけない巨大装備と、次官が与えてくれた特別権限は、さすがに民間業者を寄せ付けません。
全体が「ほら話」のノリなのですが、第2巻では様相が変わってくるようです。第1巻は「長い前フリ」なのでしょう。
2016/12