今月は、シリーズの途中とか上巻だけとか、読み切っていない作品のほうに秀作が多かったようです。まとめて次点に入れておきました。最終評価は最後まで読んでから。1.ブラインド・マッサージ(ビー・フェイユイ)
ブラインド・マッサージ」とは、盲人によるマッサージのこと。南京のマッサージ店で働く盲目のマッサージ師たちの群像劇は、中国でベストセラーとなり、映画化もされました。健常者と比較して貶めることも美化することもなく、視覚障碍者たちの恋愛感情や人間関係や金銭の悩みなどを、個性豊かに描いた作品です。
2.いのちなりけり(葉室麟)
「佐賀藩出身の男女が数奇な運命に翻弄されながら再会を果たす物語」である本書は、「葉隠」成立に至る「前史」ともいえそうです。「葉隠」の有名な言葉である「武士道とは死ぬことと見つけたり」と「忍ぶ恋こそ至極の恋」という2つの精神が、本書の中で見事に融合しているのです。『花や散るらん』は、本書の続編にあたります。
「佐賀藩出身の男女が数奇な運命に翻弄されながら再会を果たす物語」である本書は、「葉隠」成立に至る「前史」ともいえそうです。「葉隠」の有名な言葉である「武士道とは死ぬことと見つけたり」と「忍ぶ恋こそ至極の恋」という2つの精神が、本書の中で見事に融合しているのです。『花や散るらん』は、本書の続編にあたります。
3.ペルーの異端審問(フェルナンド・イワサキ)
リマ生まれの作家・歴史学者である著者が、本国スペインよりも苛烈であったという南米ペルーの異端審問の裁判記録からピックアップした物語群は、人間の愚かさと欲望の醜さを笑い飛ばします。ただ、西洋人の差別意識が透けて見えるような事例が出てくると、笑ってばかりもいられません。
リマ生まれの作家・歴史学者である著者が、本国スペインよりも苛烈であったという南米ペルーの異端審問の裁判記録からピックアップした物語群は、人間の愚かさと欲望の醜さを笑い飛ばします。ただ、西洋人の差別意識が透けて見えるような事例が出てくると、笑ってばかりもいられません。
【その他今月読んだ本】
・謎の毒親(姫野カオルコ)
・妻の超然(絲山秋子)
・けさくしゃ(畠中恵)
・あなたを選んでくれるもの(ミランダ・ジュライ)
・犬の心臓・運命の卵(ミハイル・ブルガーコフ)
・虹猫喫茶店(坂井希久子)
・ヒーローインタビュー(坂井希久子)
・大正箱娘(紅玉いづき)
・くれなゐの紐(須賀しのぶ)
・縁は異なもの(松井今朝子)
・遊仙譜(南条竹則)
・幽霊海賊(ウィリアム・ホープ・ホジスン)
・ケイン・クロニクル 炎の魔術師たち 3(リック・リオーダン)
・翼をください(原田マハ)
・謎の毒親(姫野カオルコ)
・妻の超然(絲山秋子)
・けさくしゃ(畠中恵)
・あなたを選んでくれるもの(ミランダ・ジュライ)
・犬の心臓・運命の卵(ミハイル・ブルガーコフ)
・虹猫喫茶店(坂井希久子)
・ヒーローインタビュー(坂井希久子)
・大正箱娘(紅玉いづき)
・くれなゐの紐(須賀しのぶ)
・縁は異なもの(松井今朝子)
・遊仙譜(南条竹則)
・幽霊海賊(ウィリアム・ホープ・ホジスン)
・ケイン・クロニクル 炎の魔術師たち 3(リック・リオーダン)
・翼をください(原田マハ)
2016/11/29