りぼんの読書ノート

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ゼロからのMBA(佐藤智恵)

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貯金も経済知識もない「ゼロからのMBA挑戦」とのことですが、全然ゼロではないのではないかというのが、正直な感想。だって著者は、帰国子女、東大卒、NHK在職というキャリアの持ち主なのですから。

とはいえ、会社を辞めてMBAに挑戦するという決意が、決して簡単なものであるはずがありません。怒涛の英語(TOEFL)と試験勉強(GMAT)、1500万円という資金の金策、そして入学したコロンビア・ビジネス・スクールで優秀なクラスメイトたちとの切磋琢磨の日々。

著者は、「やった後悔は時間に連れて小さくなるが、やらなかった後悔は時間とともに大きくなる」として、MBA挑戦を決意したとのこと。そのあたりが、日本会社員の「社費留学」とは決定的に異なっています。卒業後は、経営コンサルタント会社に勤務した後、外資系テレビ局に転職。現在は独立して、執筆活動の傍ら、企業や個人向けにコンサルティングを行っているとのこと。もちろん、後悔などしていないのでしょう。

少々寂しいのは日本人留学生が大幅に減っていて、その分、中国人や韓国人の留学生が増えているとのこと。MBA留学者数だけで判断することではありませんが、日本という国が内向きになって、活力を減じていることの、ひとつの現れかもしれません。

2016/3