11の短編のテーマは「生命」に結びつくさまざまなことがら。「誕生」妊娠」「受胎」「愛」などのキーワードを巡るちょっと不思議な物語。こういう作品は、往々にしてヌラッとした気持ち悪さを残しがちなのですが、どの作品も読後感が意外と爽やかなのが、この作者の魅力なのでしょう。
「ポピーシード」
赤ん坊の知能のまま8歳になったポピーに、第二次性徴の萌芽が現れます。悩む両親に医者が示した解決策は、ポピーの「成長の種」を摘み取ることだったのですが・・。
赤ん坊の知能のまま8歳になったポピーに、第二次性徴の萌芽が現れます。悩む両親に医者が示した解決策は、ポピーの「成長の種」を摘み取ることだったのですが・・。
「引き出し」
妻が妊娠したとき、夫の身体に「引き出し」ができてしまいます。妻が体内で子供を育てる間、夫は自分の引き出しに何をしまっておくのでしょうか。
妻が妊娠したとき、夫の身体に「引き出し」ができてしまいます。妻が体内で子供を育てる間、夫は自分の引き出しに何をしまっておくのでしょうか。
「キャッチ・アンド・リリース」
大リーグの投手を目指す少女の前に現れ、キャッチボールの相手を申し出た老人は、生者ではありませんでした。それでも、交互に身の上話をする2人の間には心が通うのでます。
大リーグの投手を目指す少女の前に現れ、キャッチボールの相手を申し出た老人は、生者ではありませんでした。それでも、交互に身の上話をする2人の間には心が通うのでます。
「老いも若きも」
老人たちばかりが住む町で愛し合う少年と少女は、人生の行く末について考えてしまいます。でも、今たいせつなのは、愛し合うこと。
老人たちばかりが住む町で愛し合う少年と少女は、人生の行く末について考えてしまいます。でも、今たいせつなのは、愛し合うこと。
「支流」
愛を育むたびに胸から生えてくる「ラブアーム」。人生において人を愛した回数が目に見えてしまう世界では、人々は愛した過去をどう説明するのでしょう。あるいは愛さなかった過去のことも。
愛を育むたびに胸から生えてくる「ラブアーム」。人生において人を愛した回数が目に見えてしまう世界では、人々は愛した過去をどう説明するのでしょう。あるいは愛さなかった過去のことも。
他には、「人生にようこそ、おめでとう」、「雪は遠くに」、「大言壮語」が収録されています。
2015/12