りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ハヤブサが守る家(ランサム・リグズ)

イメージ 1

12歳の時に第二次世界大戦前のポーランドから逃れてウェールズに移り住み、後にアメリカに渡った祖父が、奇妙な言葉を残して殺害されてしまいます。祖父が語っていた奇妙な場所や不思議な人々は、混乱した記憶の産物にすぎなかったのでしょうか。

祖父の殺害現場で「黒い怪物」を目撃してしまった孫のジェイコブは、精神科医の勧めもあって、祖父が少年時代を過ごしたウェールズの離島にある廃孤児院を訪れます。彼がそこで見出したものは、孤児院長の「ハヤブサ」ことミス・ペレグリンが作り出した「時間のループ」の中に暮らす「特異な能力を持つ子供たち」でした。

特異な能力とは何なのか。怪物とはどんな存在なのか。ハヤブサは何のために時間のループを作ったのか。なぜ祖父はそこから出て行ったのか。祖父のガールフレンドだったという火球を操る少女エマは、ジェイコブに「ループの中にとどまって欲しい」と頼むのですが・・。

相互に関係のない50枚もの怪しげな古写真に関連付けされた物語は、一見すると「古色蒼然としたファンタジー」のようです。ただし、途中に「逃げろ。ウサギたち」という歌が入っていたこともあって、私にはピンク・フロイドの「狂気」のイメージ。ジェイコブやエマたちの冒険は、まだ終わってはいません。時間の地図を持って、時間のループをたどる旅を描く続編もありそうです。

2014/12

P.S.
20世紀FOXがティムバートンを監督にして映画化が進められているとのこと。孤児院長のミス・ペレグリンは、ヘレナ・ボナム=カーターでしょうね。ジョーニー・デップは、祖父の若いころでしょうか。それとも悪役のワイトことゴラン医師とか・・。