りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ガウディの鍵(エステバン・マルティン)

イメージ 1

926年に、バルセロナ市街で路面電車に轢かれて死亡したガウディ。それは普通の事故死だったのでしょうか。貧しい身なりをしていたため、身元が分からず、浮浪者と間違われたというのは、偶然だったのでしょうか。

「スペイン発ダビンチ・コード」は、晩年のガウディに可愛がられていた少年が、80年後になってガウディの死の秘密を孫娘のマリアに打ち明ける場面から始まります。当時の少年も今は90歳の老人。彼にとっては薄れゆく記憶との戦いなのですが、老人の言動を長年見張っていた謎の存在も動きはじめます。

美術史研究家のマリアが、数学者の恋人に助けられながら、バルセロナ市内の観光名所であるガウディの建築物を巡りながら古代の謎を解いていく物語。キリスト教絡みの謎を、古代から連綿と続く善と悪の集団が狙うという構図となると、もう、主人公の名前がラングドンであっても不思議ではないほど。

しかも、「謎」の正体に無理がありすぎます。最後はファンタジーになってしまいました。途中で登場する脇役の日本人女性が、「わび・さび・盆栽」の世界とガウディーの世界を対比する場面などは、まったく意味不明です。

2014/10