りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

書店ガール2(碧野圭)

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ブックストア・ウォーズは、いつの間にか『書店ガール』と改題されていたんですね。本書はその続編。前作で内輪もめと売上倍増の大決戦の末に閉店を余儀なくされたペガサス書店の店長・理子と、熱血ガール・亜紀は、吉祥寺の大手書店チェーンに転職を果たしていました。

大型書店の店長という慣れない仕事に戸惑う理子は、まだ独身。彼女を支えてくれる年下の副店長のことを頼もしく思えてきます。本屋大賞のプレゼンターになるなど文芸書担当として活躍する亜紀は妊娠。それをきっかけにして夫との結婚観の違いが表面化してきます。その一方で、電子書籍などに押されて書店の売り上げは右肩下がり。周辺の中小書店では問題はもっとシリアスです

そんな中で、本と本屋の力を信じる2人が新たなイベントに挑戦していきます。いや、本屋の力を一番信じているのは、元雑誌編集者だったという著者なのでしょう。

大手書店も、取次店も、出版社も会社です。会社であるからには理不尽なこともたくさん起こっているのも事実でしょう。でもどんなに難しいことでも、「楽しいと自分たちが信じることをしなければ、お客さんに本や本屋の楽しさは伝わらない」という理子の言葉には、全国の書店員の方々からの喝采が起きたのではないでしょうか。

2013/10