りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

僕僕先生7 童子の輪舞曲(仁木英之)

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少女姿の仙人・僕僕先生と彼女に惹かれたニート青年の王弁が体験する不思議なロード・ストーリー。シリーズ第7弾は、これまでの6作の傍らで起きていた「外伝」的なエピソード集であり、過去6作の物語とキャラクターの紹介もついているナビゲートブックとなっています。

「避雨雙六」
薄妃の恋』の旅の途中、雨で足止めをくっている間の雙六勝負。ゴールまでの枡数はそれぞれの願いが叶うまでの距離。王弁の願いが叶うまでには果てしない道のりが必要です。僕僕は「最後まで付き合ってあげる」と言っていますが・・。

「雷のお届け物」
薄妃の恋』に登場するエピソードの後日談。気の弱い雷王の子・??を助けた人間の親友・重虔は、雷神になる修行中。湖南龍王・洞底王に秘宝を届けるように命じられた重虔は、龍王のライバルの龍神に捉えられてしまいます。重虔の安否を気にする??ですが、友の成長を見守ってあげることも友情なのです。

「競漕曲」
胡蝶の失くし物』の直後、帆船に同乗した一行は、海の上の桃源郷に迷い込んでしまいます。強力な結界が張られている島から出る条件は、海王号と競争して勝つこと。遭難を怖れるあまりの過保護状況が誰のためにもならないことを、海王に理解させることがポイントいた。

「第狸奴の殖」
さびしい女神』の地方に向かう途中、一行の宿代わりになる第狸奴が発情期を迎えます。第狸奴という生き物は、追いかけっこをして捕まった方がメスになるのですが、そうなったら旅を続けられません。先に相手を探し出すよう命じられた王弁でしたが・・。

「鏡の欠片」
先生の隠しごと』の途中でしようか。仙人・司馬承禎が吸い込まれてしまった神鏡の欠片を探しに、弟子の那那と這這が旅に出ます。神鏡を売って病の母親の診療代にしようと考えている貧しい鉄心と妹が欠片を持っていたのですが、2人が考えたアイデアとは?

「福毛」
なんと現代日本が舞台です。薬剤師の康介は、28歳の妻・香織が老衰だと司馬医師から聞かされて唖然とします。「ボクがどうなっても待っていて欲しい」という香織の言葉を信じ切れなかった康介は、怪しげな胡蝶薬局の助手・劉に「金色の細い毛」を差し出してしまうのですが、それこそが「仙骨」でした。やはり王弁は仙人にはなれない運命なのでしょうか。

2013/10