りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ルー=ガルー2(京極夏彦)

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50年後の日本。世界的規模のパンデミックによって激減した児童を保護するために「物理接触」は極力排除され、「端末」を中心とした生活が営まれている時代。第1作『忌避すべき狼』の事件から3ヶ月後、再び14歳の少女たちを巻き込んでいく事件が動き出します。

発端は「ゴスロリ少女・作倉雛子」が「バイク少女・来生律子」を深夜に訪問して託した小壜に入った「毒」でした。律子は「コミュニケーション障害少女・牧野葉月」を介して「天才少女・都築美緒」に毒の分析を依頼しますが、その直後に都築の家は爆破されてしまいます。

一方で、未登録住民の「拳法少女・麗猫」の周囲では失踪者が相次いでおり、爆破事件の余波を受けて隔離される「C地区」から脱出しようとする際に、「狼少女・神埜歩未」が未登録住民を殺害している場面を見てしまうのですが・・。

少女たちの前に姿を現す巨大製薬会社は果たして、「人類の夢を実現させる」薬を作ろうとしているのか、それとも「人を人でないものに作り替えようと」しているのか。そして、さらにその奥に隠された狙いは?

女性を襲う男性型の夢魔インクブス、男性を襲う女性型の夢魔がスクブスだとのこと。その名を持つ2つの薬を操る者こそ、妄想に囚われた夢魔なのかもしれませんね。

相変わらず「天才少女・都築美緒」の非常識ぶりが冴えています。前作では前世紀「火を吐く巨大ガメ」に興味を持っていましたが、今回の興味の対象は「バッタの改造人間」。律子が修理したバイクに「スーパー駆動装置」をつけちゃうなんて楽勝のわけだ。^^

2012/2