りぼんの読書ノート

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世界は「使われなかった人生」であふれてる(沢木耕太郎)

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「進め!電波少年」の看板企画だった「無銭世界旅行」のもととなったと言われる深夜特急の著者による、映画評論です。「もし別の決断をくだしていたら別の人生があったのではないか・・」との思いを、映画の世界に仮託したエッセイのような作品に仕上がっています。2001年11月に「暮らしの手帖」社から刊行されました。

全32編の映画評見出しと、映画のタイトルを列記しておきましょう。それにしても、未見の映画がいかに多いことか!

・世界は「使われなかった人生」であふれてる 「天使のくれた時間」
・出発するための裏切り 「マダム・スザーツカ
薄暮の虚無 「偶然の旅行者」
・にもかかわらず、よし 「マイライフ・アズ・ア・ドッグ
・飛び立つ鳩を見送って 「日の名残り
・天使が砂漠に舞い降りた 「バグダッド・カフェ

・焼き払え! 「シルビーの帰郷」
・最後まで降りられない 「スピード」
・官能的にしてイノセント 「髪結いの亭主
・不可視の街で 「タクシー・ブルース」
・敗残の可能性 「黄昏に燃えて」

・海を待ちながら 「フィッシャー・キング
・郷愁としての生 「恋恋風塵」
・もう終わりなのかもしれない 「許されざる者
・行くところまで行くのだ 「人生は琴の弦のように
・悲痛な出来事 「オリヴィエ オリヴィエ」

プレスリーがやってきた 「グレイスランド」
・水と緑と光と 「青いパパイヤの香り
・滅びゆくものへの眼差し 「ダンス・ウィズ・ウルブズ
・貧しさと高貴さと 「運動靴と赤い金魚」
・切れた絆 「フォーリング・ダウン

・老いを生きる 「春にして君を想う」
・新しい世界、新しい楽しみ 「ムトゥ踊るマハラジャ
・わからないということに耐えて 「17歳のカルテ」
・男と女が出会うまで 「ワンダーランド駅で
・ひとりひとりを繋ぐもの「 ローサのぬくもり」

・懊悩に沈黙が応える 「フェイク」
・笑い方のレッスン 「八日目」
・夢に殉じる 「ペイ・フォワード
・父に焦がれて 「セントラル・ステーション」
・神と人間 「トゥルーマン・ショー
・そこには銀の街に続く細い道があった 「ロッキー」

2011/12