アトスの息子であり、他の四銃士メンバーからも息子のように愛されているラウル=ブラジュロンヌ子爵の恋は、ルイ14世の横恋慕によって風前の灯火!国王とルイズの関係は紆余曲折を経ながらも密かに進展し、ついにはルイズの婚約者ラウルに気づかれてしまいます。
一方でコルベールの策略によってフーケは没落に向かっていくのですが、イエズス会の管区長となって権力と財力を手にしたアラミスは、国王の首をすげ替える大胆不敵な計画をほのめかします。さらにアラミスはダルタニャンに近づいて味方に引き入れようとするのですが、きっぱりと断られます。四銃士の友情が大きく揺らいだ瞬間です。アトスに利用されていた愛すべきポルトスは、ダルタニャンのアレンジによって国王に謁見でき、気分上々なのですが・・。
この巻には、クライマックスとなる次巻『鉄火面』に向かって、様々な伏線が張り巡らされています。絶対王政への道筋はまだ中途であり、国王にとっては家臣からの忠誠心こそが全てなのに、信頼を失うような行為ばかりしていてはまずいのでは?
果たして、ダルタニャンの国王への忠誠心は揺らいでしまうのでしょうか。
2011/9