りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

キャンティとコカコーラ(シャルル・エクスブラヤ)

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ジュリエットに続いて、「ロミジュリ」に関係する作品を読みました。とはいっても、こちらはコメディタッチのミステリです。

ヴェローナ警察の中年警部補ロメオ・タルキニーニは、中年太りしてしまった妻のジュリエットを今でも熱愛し、「すべての犯罪の動機は愛である」と信じる熱いイタリア親父。そんなロメオ警部は、ボストンの上流家庭に嫁いでしまった愛娘ジュリエッタのことが心配でなりません。(シリーズ第1巻『チューインガムとスパゲッティ』の事件が、娘がアメリカ人に嫁ぐことになった経緯だそうですが、未読です)

休暇をとってボストンに出向き娘の様子を見に行ったロメオは、ピューリタンのお堅い家庭に混乱と騒動を巻き起こすのですが、殺人事件に巻き込まれてしまい、笑い事ではなくなってしまいます。殺害されたのは娘婿家庭の友人で、銀行家のジェレミー・パーカー氏。「金」が動機と信じて「科学的捜査」を進めるボストン警察に対して、あくまでも「愛」こそが動機と信じるロメオは、ふとしたきっかけで知り合った若者の容疑を晴らすため、事件の真相に迫るのですが・・。

ミステリというより、イタリアとアメリカの文化を戯画的に対比させるところから生まれるおかしさを楽しむ本ですね。「禁欲的で拝金主義」のアメリカ文化をコケにしているようですが、本書の著者はフランス人。イタリア文化のことも少々小馬鹿にしているように思えてしまうのは、穿った読み方でしょうか。楽しめる本ですけどね。^^

2011/8