りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々(外伝)ハデスの剣(リック・リオーダン)

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古代ギリシャのオリンポスの神々は、その時々の西洋文明の中心地にオリンポスを移し続け、現代の拠点はアメリカのマンハッタン。神々の習性ともいえる人間との恋愛も続いていて、神々と人間の間に生まれた「ハーフ」はいつの時代にも存在していたのです。

かつてオリンポスの神々との戦いに敗れて地底に息を潜めていたものの、数千年ぶりに復活を果たそうとするタイタン族と戦う「ハーフ」の少年たちを描いた本編は、「ハリー・ポッター」の二番煎じ的な部分もあるものの、十分に楽しめる内容でした。「外伝」の本書は、第4巻と第5巻の間に起きた出来事として、3つの短編を収めています。

「盗まれた二輪戦車」
アレスの娘クラリサが借り出した父親の二輪戦車を奪ったのは、やはりアレスの息子の神々。相手の恐怖心を煽るポボス(恐怖の神)とデイモス(恐慌の神)の兄弟と対決するクラリサにパーシーが協力します。この2人は犬猿の仲なんですけどね。^^ところでパーシーが見させられた恐怖の光景は「燃える訓練所」の映像でした。

「青銅のドラゴン」
パーシー、アナベス、サイリナが、鍛冶の神・ヘイパイストスが作り出した青銅のドラゴンを復活させて、巨大アリ・ミュルメクスの大群に襲われたベッケンドルフを救出に向かいます。でもこのドラゴンはずっと壊れていたので、敵と味方の区別がつかないんです。^^;

「ハデスの剣」
パーシー、タレイア、ニコが集められたのは、盗まれた新兵器「ハデスの剣」を取り戻すよう、冥界を治めるハデスの妻ペルセポネに頼まれます。でもハデスが直々に頼まないのは何故? 実は他の神々との協定を破って、内緒で新兵器を作らせていたのはペルセポネだったのです。亡霊の女神・メリノや、永遠の罰を受けるシシュポス、タイタン族のイアペトスらも登場。冥界は相変わらず不気味ですね。犯人はもちろん、裏切り者の「ハーフ」なんですが・・。

パーシーらの後の時代を描いた『The Lost Hero』も既に出版されていて、これもシリーズ化されるとのことです。本編のラストにレイチェルが告げた、新たな大予言の物語なのでしょうか。これも楽しみですけど、まだ先ですね。^^

2011/5