りぼんの読書ノート

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パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 3.タイタンの呪い(リック・リオーダン)

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強大な力を持つオリンポス12神のひとりアルテミスが行方不明に?しかも、直前にはアテナの娘・アナベスまで行方不明になっているのですから深刻です。アルテミスの親衛隊であるハンター隊を率いるゾーイや、前巻で復活したゼウスの娘のタレイアらとともに、パーシーは捜索の旅に出るのですが、不気味な予言が下されます。

1名は雨なき地にて失われる
1名はタイタンの呪いに耐えよ
1名は親の手により命を落とす

例によって、マンティコア、ネメアのライオン、エリュマントス山のイノシシ、ラドン、青銅の巨人タロスなど、ギリシャ神話の怪物たちが彼らの行く手を阻みます。しかし、神々を倒す力を持つという最強の怪物オフィオトロスの正体は意外なものでした。

本書を読んでいると、オリンポスの神々は「若い神」であり、ゼウスらの父親でもある仇敵クロノスらのタイタン族はもちろん、古代の怪物がたくさんいたことがわかります。だからこそ「英雄」の活躍は必要だったのでしょう。実際にはギリシャ文明が広がっていく過程で消え去った、他の文明の名残りなのでしょうが・・。

さて、アルテミスを捉えていたのは、タイタン族の巨人アトラスでした。策謀にかかって、アトラスに代わって天を背負わされていたのです。そこには、「ハーフ」の裏切り者ルークに捉えられていたアナベスも。ハンター隊の隊長ゾーイは、黄金のリンゴを守るヘスペリデスの娘のひとりだったんですね。彼女が「英雄」を嫌い永遠の少女としてアルテミスに仕えていたのは、かつてヘラクレスに騙された過去があったから!!!

ゼウスの娘・タレイアは、16歳の誕生日を前にして、これ以上年をとらない決意をします。これで予言に記された「運命の子」となる可能性を持つのは、ポセイドンの息子パーシーに絞られたかと思いきや、彼らが救出した姉弟ビアンカとニコが実は・・。物語は佳境に入っていきます。

2011/5