りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

リーシーの物語(スティーヴン・キング)

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久々にキングの作品を読みました。主人公のリーシーは、有名作家だった夫を亡くした中年女性なのですが、モデルは奥様なんですね。「この本だけは唯一書評を読みたくない」と言ったのも頷けます。

夫スコットが亡くなって2年。悲しみの癒えぬままにようやく遺品整理をはじめたリーシーは、夫が自分に何かを知らせようと「道しるべ」を遺していたことに気づきます。手がかりは、2人の思い出の中に潜んでいたのです。

「悪のぬるぬる」に捉われる遺伝子を持ったスコットが行なっていた贖罪「ブール」。スコットが自らを癒やしに訪れていた、この世のものならぬ美しい森「ブーヤ・ムーン」。スコットが大学で撃たれて瀕死の重傷を負った日のできごと。辛い少年時代に起きた悲劇を聞かされた、雪山での午後・・。

折りしも亡夫の未発表原稿を狙う変質者に付け狙われたリーシーは、「道しるべ」の謎を解き、変質者との対決を決意するのですが、彼女はひとりで「ブーヤ・ムーン」を訪れることができるのでしょうか。

スコットをこの世に繋ぎとめていたのはリーシーの愛であったこと。スコットが亡くなった後も、リーシーが強く生きていく姿を描くこと。著者の、奥様への愛情を強く感じる作品でした。リーシーは4人姉妹の末っ子という設定ですが、著者の奥様も5人姉妹だそうです。^^

2011/5