りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

墓場の少年(ニール・ゲイマン)

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英米の児童文学賞をダブル受賞した作品ですが、もともとは著者が自分の子どもたちのために書いた物語だそうです。なんと贅沢なこと!

両親と姉が殺害された夜、隣の墓地に迷い込んだ赤ん坊は、幽霊たちに育てられます。赤ん坊を「ノーボディ」と名づけ、ボッドとの愛称で呼び、愛情たっぷりに育て始める幽霊たちですが、生者のための食料や衣服の調達はできません。その役割を担ったのが、サイラスという「生者でも死者でもない存在」なんですね。

サイラスの不在中にボッドの世話をするミス・ルペスクによると、「存在」は次のように分けられるそうです。
・生ける者と死せる者
・昼の種族と夜の種族
・グールとミストウォーカー
・高貴なる狩人と神の猟犬、そして群れない種族・・さすがに謎めいていますね。^^

ボッドは生者と死者の中間で、魔女として殺された少女の幽霊ライザと出合ったり、人間の少女に親しみを感じたり、グールに誘拐されそうになったり、古代の墓を守るスーリアに脅されたりもしますが、すくすくと育っていきます。

しかしついに、彼の両親を殺害した「ジャック」に気づかれてしまいます。「ジャックたち」とは何者で、なぜボッドを付け狙うのか。サイラスやミス・ルペスクや幽霊たちは、ボッドを守れるのか。ラストに向かって、物語は急展開していきます。そして別れの日が・・。

著者は『ジャングル・ブック』を下敷きにして、この本を書いたとのこと。「鬼太郎」がモデルじゃないというのは残念!

2011/3


P.S.
そろそろ水道復旧?・・と思ったら下水道にも問題?仮設トイレ生活は辛そうです^^;