りぼんの読書ノート

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盗まれたコカ・コーラ伝説(ブライアン・フォークナー)

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変わった才能を持つニュージーランドの中学生たちが活躍する、YA冒険小説です。この作品ではほとんど活躍しない少年のエピソードもチラッと紹介されていますので、シリーズ化されているようです。

本書の主人公は、ソフトドリンクなら何でも当てられる「奇跡の味覚」の持ち主のフェザー少年と、彼の親友で腕っ節が強くラグビーユースで活躍するツバイ少年。ツバイ君がマオリとのハーフというのも、ニュージーランドらしいですね。

世界一有名なソフトドリンクであるコカコーラにまつわる都市伝説はたくさんあって、「フォークロア」ならぬ「コークロア」と呼ばれているそうです。「レシピを知っているのは3人だけ」なんていうのも、そのひとつ。

さて本書では、その3人が同時に誘拐されてしまって、世界からコカコーラが消えてなくなってしまうという危機が訪れます。もちろんアトランタの本社は大騒ぎ。3人の捜索に必死になる一方で、味を「再現」するためにフェザー君に助けを求めます。彼は一度、ニュージーランドのコカコーラ社のために貢献したことがあるのです。

フェザー君を満足させる味は再現できませんでしたが、やはりコカコーラを救ったのはフェザー君の「奇跡の味覚」でした。オリジナルと全く同じ味のコーラを製造している偽コーラ社の製品を見抜いてしまうのですから。犯人が「オーストラリアの会社」というのは、ニュージーランドがオーストラリアにライバル意識を持っているせいでしょうか?

このニュージーランド発の冒険物語は、イギリスで出版されて、アメリカでも人気が出たそうです。日本語訳も発刊されるほどですもんね。少年少女冒険小説の大傑作『ツバメ号とアマゾン号』の香りも感じます。

2010/8読了