りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

リミット(五十嵐貴久)

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ラジオの深夜番組に届いた「番組終了後に自殺する」との予告メール。局の幹部は、「いたずらの可能性を否定できない」として無視するよう指示しますが、ディレクターの安岡は、パーソナリティを務める人気お笑い芸人の奥田に働きかけて、放送の中で自殺の翻意を呼びかけようと主張します。

「死にたいヤツは死んだらええ」と毒舌を吐きながらも、異例の番組延長までしてリスナーに捜索を呼びかける奥田と安岡が連携して行う闘いは、自殺志望者の命を救えるのでしょうか・・。

はっきり言って、イマイチでした。安岡に、1年前にイジメを苦にして自殺した息子を救えなかったことに対する後悔と、仕事とは別と言い切らせながら、結局は、安岡のその思いがドラマを生み出したかのような展開は「アレレ・・」でしたし、奥田の毒舌的な呼びかけは最初から最後まで一本調子で、アクセントがありませんでした。

五十嵐さんの作品が面白かったのは交渉人までだったように思います。その後の作品は一段落ちるような感じがあるのですが、どうでしょう。多作の影響かしら?

ラジオとリスナーの繋がりをテーマとした最近の作品としては、絲山秋子さんのラジ&ピースがありますが、比較にはなりません。テーマが全然違いますしね。

2010/8