りぼんの読書ノート

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バスカヴィル家の犬(コナン・ドイル)

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ホームズシリーズの第5作は、さすがにかつて読んだ覚えがある名作長編です。悪の天才・モリアーティ教授と相打ちでライヘンバッハの滝に沈んだホームズですが、復活を待望するファンの声に後押しされて書いた作品とのこと。でも本書は「思い出話」との扱いですから、本格的な復活は次作のことになります。

デヴォンシャーの名家バスカヴィル家に伝わる、残虐な当主が魔犬に殺害されたとの17世紀の伝説が今に蘇ったかのような謎めいた状況で、当代のチャールズ卿が怪死。さらに、跡を継ぐために新大陸から訪れた若きヘンリー卿の周囲に起きる怪事件に、ホームズとワトソンが挑戦。

まるで密室のような沼沢地、孤立した大邸宅、怪しい使用人、不思議な隣人と美しい妹・・。こう並ぶと、まるで横溝正史の伝奇ミステリのようですが、もちろんこちらが本家本元。さあ次は、ホームズが完全復活を果たす『シャーロック・ホームズの帰還』です。

2010/8再読