りぼんの読書ノート

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殺してもいい命 ― 刑事 雪平夏見(秦建日子)

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「刑事・雪平夏見シリーズ」の3作目となります。前2作はいかにも「シナリオライター」が書いた小説という感じで、粗さが目立ちましたが、惰性で借りた第3作は、「小説」として仕上がっています。

「フクロウ」と名乗る人物が起こす連続殺人の最初の犠牲者は、夏見の別れた夫でした。通常、近親者は捜査から外れるのですが、「何の感情も起きない」夏見は平然とメンバーに加わり、あろうことか「絶対に許されない方法」での捜査に上司を巻き込んでいきます。

警視庁屈指の犯人検挙歴を持ちながら犯人殺害歴も2件あり、「無駄に美人」な雪平夏見が唯一人間性を見せるのは、別れた夫が引き取った娘・美央に対する気持ちだったのですが、今回の事件では、そこが狙われます。そして、夏見に対して歪んだ執着を見せる意外な犯人・・。

面白かったのですが、この本は「推理小説」というより、「キャラクター小説」ですね。ドラマ「アンフェア」は見ていませんが、完全に篠原涼子さんのイメージです。

2010/4