りぼんの読書ノート

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ヤング・ボンド(チャーリー・ヒグソン)

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シャーロック・ホームズや、インディ・ジョーンズなど、架空の人物の少年時代を「創作」した小説がいくつか出ていますが、本書もそんな一冊。主人公は、13歳の時の「007」ジェイムズ・ボンドです。イアン・フレミングの遺族から許可を得て書かれた「お墨つき」。

どこまでが原作や映画で明かされている生い立ちで、どこからが本書での創作なのかよくわからないのですが、本書によると、ジェイムズの父親はスコットランド人で、母親はスイス人。バイリンガルの環境で育ったものの、2年前に両親は事故死。ジェイムズは全寮制のイートン校に入学し、身寄りスコットランドに住んでいる父親の兄と妹だけという境遇なんですね。時代は第二次大戦直前にあたります。

13歳のジェイムズは、スコットランドにある叔母の別荘で休暇をすごしている時に行方不明になった少年の噂を聞きつけます。そのあたり一帯は、アメリカ人の富豪が買い占めていて、城はもちろん、湖や山を含む広いエリアが立ち入り禁止になっていたのですが・・。

もちろん、そのアメリカ人富豪は怪しいのです。第一次大戦で荒稼ぎした武器商人であり、今また「無敵の兵士」を作りだす怪しい研究に手を染めているようなのですが、行方不明の少年を心配する友人とともに城に忍び込み、秘密の研究施設を・・。

「架空の有名人の少年時代もの」というと、その人物の癖や愛好するものの由来が明かされるのが常ですが、本書もまた例外ではありません。

伯父から運転を教わって譲られることになるクルマは「アストン・マーチン」ですし、窮地を救ってくれた美少女の愛馬の名前は「マティーニ」。ほかにもあったのかな? さすがに事件解決の後の「美少女とのお楽しみ」はファースト・キスだけでしたけどね。^^

2009/11