りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

僕僕先生3 胡蝶の失くし物(仁木英之)

イメージ 1

僕僕先生シリーズの第3弾です。美少女の姿をした仙人の「僕僕先生」と、彼女(?)に惚れ、一方でなぜか彼女からも気に入られて、玄宗皇帝時代の大唐帝国内を一緒に漫遊している気の弱い薬師の王弁クン。

第1巻から登場している仙馬・吉良や、ペットとしても可愛い化狸の第狸奴に加え、前巻で登場した皮だけの美女「薄妃」も仲間に入り、さらには蚕の姿をした少女の蚕嬢などを加わって、旅の仲間も増えています。

僕僕先生と王弁クンは、なぜか大唐帝国の暗殺集団「胡蝶」の刺客から暗殺を狙われてしまいます。もちろんその程度の敵は相手にならない・・と思いきや、仙骨を持つ刺客・劉欣はあっさり取り込んだものの、彼らに手を貸す謎の存在に手を焼いてしまう。

薄妃の悲恋は一応の決着を見たのですが、苗族の祀る神と思われる蚕嬢が蚕の姿をしているのも謎ですし、「胡蝶」との関係も次巻に持ち越しですから、この後もシリーズは続いていきそうですね。

どうもしゃばけのように、変わったキャラが確立されて人気が出ると、「人情噺」をベースにしてキャラの力でシリーズにするのが流行のようです。まるで「水戸黄門」などのTV時代劇シリーズのように思えてきます。「固定客」を掴むにはいいのでしょうが、それだけではもの足りません。

2009/10