りぼんの読書ノート

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紅無威おとめ組 かるわざ小蝶(米村圭伍)

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米村版の「大江戸チャーリーズ・エンジェルストーリー。時は寛政元年、老中・松平定信の時代。軽業小屋で人気を博す早飛小蝶は、老中の風俗取締りのせいで行方不明となってしまった育ての親の敵討ちを決意して、老中宅に忍び込みます。捕まりそうになった小蝶を救ってくれたのは、美貌の若者・幻之介。

その配下にいるのは、男装の剣士・桔梗と、発明家・萩乃という2人の女性。小蝶は、義賊と称する一味に加わり、定信が前老中・田沼意次から奪った裏金を強奪する作戦に乗り出すのですが、そこに田沼の謀臣も関わってきて・・。

深い知識を、軽妙な文体と軽い物語に乗せる「米村節」は健在です。知恵と色気と体術を武器に巨悪に挑む「大江戸チャーリーズ・エンジェル」は楽しいですよ。頭領の幻之介は最初から怪しそうですが、びっくりさせてくれるのは三人娘の真の黒幕。(まさに「謎の存在」であるチャーリーですね^^)

時代的には、田沼意次の全盛期だった退屈姫君伝より10年ほど後になるのでしょう。お庭番頭に出世した倉地政之助も、熊野忍びの大蜘蛛仙太郎もチラッと登場。これもシリーズ化されていて『紅無威おとめ組 南総里見白珠伝』という作品も出ています。小蝶が、チャーリーの正体に気づくことがあるのでしょうか?^^

2009/5