りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

The Book-jojo’s bizarre adventure 4th another day(乙一)

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わからない人は全くわからない世界でしょう。少年コミックに長年連載された「ジョジョの奇妙な冒険」の第四部の世界を舞台にした新作ノベルです。私はある事情から、本書のコミックスはかなり読んだので、これはわかるんです。^^

この第四部というのは、杜王町という、おそらく仙台の郊外をモデルにした町を舞台に、「スタンド使い」の高校生たちが異常な事件を解決していく物語。でも、そもそも「スタンド」というのが何か、わかりませんよね。(説明は「ムダムダムダムダーッ」と思うので省略しますが、ある種の超能力的なものと思えばいいでしょう。)

東方仗助の「クレージー・ダイヤモンド」、虹村億泰の「ザ・ハンド」、広瀬康一の「エコーズ」、岸部露伴の「ヘブンズ・ドアー」、山岸由花子の「ラブ・デラックス」・・読んでいるうちにかなり思い出してきました。

本書は、彼らが対決することになった、ある異常な事件の顛末の物語。もちろん相手も「スタンド使い」で、人生で経験した全ての記憶をとどめておき、その経験を相手に味わせることのできる能力「The Book」の持ち主。たとえば自分が交通事故にあった部分のページを相手にかざすだけで、その記憶が移植されるだけでなく、身体にも交通事故にあったダメージが発生してしまうんですね。意識が身体に影響を与えるわけです。

「忘れられないこと」に苦しみながら、「The Book」というスタンド能力の使い手となった琢馬は、彼の母を無残に殺した、やはりスタンド使いの男(実は父親)に対する復讐を目的に生きています。琢馬の復讐劇が、同じ学園に通うオリジナルの主人公たちと交差してしまい、対決するハメになってしまうのですが・・。

両親や異母妹に対する愛憎というあたりは、乙一さんらしいテーマなのでしょうか。ただ、コミックの迫力にはとうてい及ばなかった気がします。

ところで、私が「ジョジョ」を知っている「ある事情」というのは、シンガポール時代のこと。壁一面いっぱいなほど、日本のコミックを持ってきていた友人からときどき貸してもらったんです。当時読んだのは「ジョジョ」に加えて「がんばれ元気」と「幽遊白書」。

2008/5