りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

図書館革命(有川浩)

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『図書館シリーズ』の第4弾、シリーズ最終巻です。

公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる『メディア良化法』が施行され、超法規的検閲を強制執行する「メディア良化委員会」と、表現の自由を守るために設立された「図書隊」とが、武力衝突を繰り返している時代。どちらの側にも、強硬派も柔軟派も中立派も存在していて、両武装勢力の対立は国内政治の混乱そのまま、泥沼化しています。

そんな中、両者の均衡を一気に覆しかねない事件が起こりました。それは、ある国際謀略小説をモデルにしたと思われる、テロ集団による原発襲撃。「対テロリズム特別措置法」に基づいて、一気に検閲を強化し、執筆の自由さえ奪おうとする勢力に対して、図書隊は著者・当麻蔵人の保護に走るのですが・・。

・・と書くと堅苦しそうに見えますが、このシリーズは基本的にラブコメです。図書隊の熱血教官・堂上と、熱血新米隊員の郁。冷静沈着な小牧隊員と、幼馴染の毬江ちゃん。家柄抜群で優秀ながら頑なな手塚隊員と、情報通の戦略家・柴崎麻子。図書隊内の3組のカップルの恋愛は、それぞれ進展します。そして、ゴールインしちゃうカップルまで!

表現の自由」に向けて進展を見せる、ちょっぴり明るいエンディングになりました。泥沼化した国内政争を正すのは、やはりグローバルな視点しかないのかも・・。

2007/12了