新宿二丁目の無認可保育園「にこにこ園」を切り盛りする園長、ハナちゃんこと花咲慎一郎は、その場所柄、風俗産業で働く女性たちの子供たちを世話するので手いっぱい。今日も、ヤク中で未婚の外国人売春婦が、子供を連れて姿をくらましてしまったことを心配しています。
保育料を払えない母親も多い赤字の保育園の経営を助けるために、ハナちゃんはちょっとヤバイ私立探偵を副業にしています。彼の前身は新宿書の刑事だったのですが、ワケアリで退職し、ワケアリで今の仕事に就いているのです。
そんなハナちゃんの保育園の裏に捨てられていた、生後間もない赤ちゃん。赤ちゃんを誰かに拾って欲しいのかどうかもはっきりしないような捨て方に、ハナちゃんは悪意というより「幼さ」を感じ取ってしまい、おぞましさを覚えます。事件の真相には、やはり、新宿の底辺に生きる女性たちの悲しい物語が関係していたのですが・・。
その間にも、呪いの藁人形を持った高校生、逃げたインコを取り戻したいＯＬ、納骨前に消えた骨壷など、妙に謎めいている割に金にはならない厄介な案件があれこれと持ち込まれ、ハナちゃんはひたむきに解決へ向け、走り回る。このシリーズも、もう第４作め。ちょっと都合良すぎるけど、犯人や被害者のために悩み苦しみ、涙を流す、心優しいハナちゃんのキャラが魅力です。
2007/11
