これは、一種の「とんでも本」のようです。中国と中国人が現代世界にもたらすリスクについて、これでもかというほど強調し、警戒を呼びかける内容なのです。
確かに、今の中国にはリスクがいっぱい。軍拡と結びついた領土問題に、経済格差と役人の汚職。世界中にあふれ出す不法移民やコピー製品。中でも、大気汚染や海洋汚染の問題は深刻です。そのあたりの問題を冷静に解析する本かと思ったのですが・・。そういった問題の原因を全て歴史的な中華思想に求めて、「中国においては必然」と見なすというのは、救いがありません。
この本がいいたいのは、「中国を封じ込めよ」ということのようです。反中国の思想に基づく、政治的主張の本でした。確かに、中国で起きている諸問題への有効な解決策は思い浮かばないのですが、そんな結論でいいわけがありません,
2006/9