りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

空想科学読本5(柳田理科男)

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空想科学読本』が出たのは、何年前だったでしょうか。当時、面白く読ませてもらいました。「生涯で1冊でも本を出せれば」と思っていた塾の講師である著者としては、想定を大幅に上回る大ヒットのシリーズです。

後に誤りを含んでいたことも明らかにされたりしていますが、「ゴジラは生まれた瞬間に圧死する」とか、「マッハ7で飛ぶウルトラセブンの身体は2つに裂ける」など、空想科学世界のヒーローや怪獣たちの現実離れした能力や活躍が実際にあり得るかどうか、超真面目な態度で科学的に検証してみる態度が、多くの人の遊び心を刺激して、ベストセラーになりました。

その後、読んではいませんでしたが、シリーズが続いていたんですね。でも久々に読んだ「5」は、正直言って期待はずれでした。真正面から可能性を「科学する」のではなく、ちょっと斜に構えて、ある側面だけを恣意的に選んで、チェックしている感じなんですね。トトロについて「大人には見えない」などの不思議な本質には触れず、単に体重だけを検証されてもなぁ・・。ネタ切れというより、もう、こういう企画が成り立たないのでしょうか。ルフィとかケロロとか、知らない主人公が多かったせいもあるかな。

唯一おもしろかったのは、ケンシロウの「お前はもう死んでいる」。「死につつある」でもなく、「死んだ」でもない状態とは何なのか? それを、液体の性状を保ちながらも既に凍っていてショックで氷となる「過冷却」現象をあてはめて、「過死亡」状態と定義。ショックを与えず安静を保てば「過死亡」状態は解消されるそうです。まぁ、ありえない話ですけどね。^^

2006/9