草原からの使者（浅田次郎）

『沙高楼奇譚』の続編です。「青山の秘密倶楽部に集う各界の名士たちが、自らにまつわる数奇なドラマを語りだし、人生の機微と運命の不可思議を綴る連作短篇集」。実は、上の「　」内説明は、本の帯そのまんま。説明文を考える気もおきないくらいの本でした。前作はそこそこ読ませてくれたのにな。

・有力候補が、総裁選直前に立候補を辞退した理由。
・一夜にして全財産を失った財閥末裔の話。
・遺産相続をかけた競馬場で出合った不思議な老人の話。
・男性が「最後の１回（笑）」で経験する謎の出来事。

みんな、どこかで聞いたような話。不思議さも、著者得意の「泣かせ」も感じなかったな。浅田次郎さん、ちょっと多作でお疲れ気味ですか？

2005/3