りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

女子大生会計士の事件簿2・3(山田真哉)

イメージ 1

いきなり2巻と3巻を読んだのは、図書館で見つからなかったため。でも短編集だから、どこから読んでもOKでしょう。地味で退屈なことこの上ない「監査のお仕事」ですが、この本の主人公のキャラは強烈です。

現役女子大生でありながら会計士となった「藤崎萌」。美女で優秀だけど、めっちゃいい加減な性格の彼女が、監査に訪れた会社での経済犯罪・経営犯罪を追及するお話。軽いストーリーを読んでるうちに、「経理の基礎」が身につくという、お得な本です(笑)。

ある書評では「生々しい企業会計の裏世界には圧倒されてしまう」とありましたが、そんなにインパクトある話じゃないですね。会社はどこも「右肩上がり」の業績を期待されているから、そういう数字に仕上げるために、常識的な範囲での売上基準や在庫評価方法の変更くらいはよくある話。そう頻繁にはしちゃいけませんけどね。

それが企業犯罪になるかというと、そんなことはありません。犯罪になるのは「粉飾」、「脱税」、「横領」、「インサイダー」。実際の監査のお仕事でそんな「華々しい事件」に出会うことは、まずありませんね。でも、そんな「事件」を未然に防止することが重要。「会計犯罪を摘発する」なんて事態が起きるようでは、日ごろの務めを果たしてないってことですからね。

2005/3