りぼんの読書ノート

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メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか(明川哲也)

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こういう本も「ファンタジー」って言うのでしょうか? 普通のファンタジーは、少年・少女のイニシエーションを、不思議な世界での体験として描くものが多いのですが、この本の主人公は、ハゲかけた44歳のおじさんなのです。

失意の末に自殺しかけた所をネズミに助けられた主人公は、まだ幼い自分の娘が自殺する未来の幻を見てしまいます。どうやら、人間界でもネズミ界でも自殺率は急増中で、その原因は「憂鬱の砂嵐」が吹き荒れているせいらしい。

WHO統計によると、メキシコ人の自殺率は世界一低いようです。人口10万人あたりの自殺人数では、日本が25人であるのに対し、メキシコはたった3人。娘と人類の将来を救うため、ネズミたちとともに、「鬱」を遠ざける宝を探しにメキシコまで冒険に出かけた主人公でしたが・・。

「最も鬱から遠い国」メキシコでも、色を失った村や、蝶の大量死などの不思議な現象が起きています。それらの問題をひとつ解決するたびに、ひとつ「宝」を見つけ出すというストーリー。やっぱり、ファンタジーだ。それにしても、657ページは長すぎ!

主人公は元料理人で、もちろん特技は料理。4つの宝のうち、3つはメキシコ原産の食材だったのでした。トマトとペッパーとインゲン。やっぱり、おいしい料理は元気の素ですね。^^

2005/3