りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

不祥事(池井戸潤)

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さくらっちが紹介してくれた本です。抜群の事務能力を誇るスーパーOL・花咲舞が、銀行を舞台に大活躍。銀行に巣食う「保身主義」と「派閥主義」に戦いを挑む物語。

彼女の仕事は臨店指導。各支店を巡回して、事務に問題があるかどうかの内部調査。表面に現れた問題からさらに踏み込んで、上層部をズバッと斬る様子は、小気味いいくらい。テラーと呼ばれる銀行窓口の女性社員の視点から、お客様の立場で判断を下していく姿勢がステキです。

私が携わっている内部監査の仕事というのも、ちょっと似てるんだ。小説とは違って、地味なお仕事だけど、会社内部のコミュニケーション不足を指摘することは多いかな。でも普通の会社には、わかりやすい「悪役」はいないよね。残念!(残念がってどうする!)

ひょっとして、実際に不祥事起こしたり、経営不振になった某自動車会社や、某スーパーなんかには「悪役」がいたのでしょうか。最近では「悪役」になりきれるほど、パワーある人もいないのかもしれませんね。そっちの方が問題かな。

2005/2