りぼんの読書ノート

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おくのほそ道(松尾芭蕉著・松浦寿輝訳)日本文学全集12

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高校時代に古文の授業で抄文を読んだだけですが、結構覚えていました。当時は記憶力が良かったのか、芭蕉の句が持っているパワなのか、おそらく両方なのでしょう。隅田のほとりにあった芭蕉庵を引き払い、門人の河合曾良を伴って、下野、岩代、陸前、陸中、陸奥、出羽、越後、越中、加賀、越前を通過して美濃大垣を出発するまでの旅行記です。有名な句をメモしておきましょう。解説は不要と思います。

出発:「草の戸も 住み替はる代よぞ 雛の家」
千住:「行く春や 鳥啼なき魚の 目は泪」
日光:「あらたふと 青葉若葉の 日の光」

平泉:「夏草や つはものどもが 夢のあと」
平泉:「五月雨の 降り残してや 光堂」
立石寺:「閑さや 岩にしみ入る 蝉の聲」

新庄:「五月雨を あつめて早し 最上川
象潟:「象潟や 雨に西施が ねぶの花」
越後出雲崎「荒海や 佐渡によこたふ 天の河」

市振:「ひとつやに 遊女もねたり 萩と月」
金沢:「塚も動け わがなくこえは 秋の風」
加賀:「むざんやな 甲の下の きりぎりす」

小松:「石山の 石より白し 秋の風」
敦賀:「月清し 遊行のもてる 砂の上」
大垣:「蛤のふたみにわかれ 行く秋ぞ」

日本文学全集の第12巻は「俳諧」がテーマであり、他に辻原登選「与謝蕪村句集」、長谷川櫂選「小林一茶句集」などが併録されていますが、挫折しました。一句一句を深く読み込んでいく必要がある句集は、苦手なのです。

2017/4