りぼんの読書ノート

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岳飛伝 15(北方謙三)

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南方で勢力を蓄えた岳家軍は南宋の首都・臨安を脅かしたものの、程雲が仕掛けた罠に見事に嵌ってしまいました。全軍が人夫に身を窶して埋伏させていた南宋軍によって、死地に追い込まれてしまったのです。しかし、何度敗れても死なないのが岳飛。深手を負いながらも生き延び、軍を再編して再起を目指すことになります。

一方で小梁山の秦容軍は、南宋の地方群を破って長江と漢水の合流点・漢陽に拠点を定めます。臨安を目指すというよりも、金国領への北上を目指す構えを見せるのですが、このことが梁山泊との開戦をためらっていた海陵王を、決戦へと向かわせることになっていきます。呼延凌と兀朮の死闘が、再度繰り広げられるのでしょう。梁山泊が燕京に近い雄州を奪取したことは、全体の闘いにどう影響を及ぼすのでしょうか。

張朔は、南宋水軍40艘を日本近海に追い込んで壊滅させます。どうも、後に義経が平家を滅亡させることになる壇ノ浦のあたりのようです。しかし夏悦の指揮する南宋水軍の本体は、許礼が率いる南方軍と連携して小梁山を狙っています。岳飛梁興・秦容の妻たちである崔如・于姜・孔礼らの活躍に期待しましょう。

皇后・顧大嫂が死去した西遼では、韓成が丞相に指名されます。諸国見聞の旅から戻ってきた息子・韓順は、飛脚網を広げるために北方へ。

海陵王に疎まれて金国北辺の守りについている胡土児は、何度も命を貸した蒙古の少年を徒空と命名し、友人扱いをするのですが、この少年はチンギスハンと関わっていくことになるのでしょうか。胡土児とチンギスハンの年齢差は30歳ほどと推測しているのですが・・。壮大な物語の完結まで、あと2巻!

2016/8