りぼんの読書ノート

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功名が辻の正しい読み方(北影雄幸)

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しょうもない本を読んでしまった。だいたい「正しい」なんてタイトルの本が、面白いわけないのにさ。

はい、精神的右翼の本です。今年の大河ドラマの原作である司馬遼太郎の「功名が辻」を持ち出して、「日本古来の精神や、武士道の美しさを読み取れ」と強要する本です。

都合のいい場面や文章を持ち出して自らの主張の拠り所にしながら、口当たりのいい文章で自説を展開する方法は、とっても不気味。前日まで読んでいた、オルハン・パムクの『雪』の感動が台無しです。

原作のストーリーは、よく要約されてはいるのですが、こんな本を読まずに、大河ドラマを見たほうが、よっぽどマシですね。

実は今年は10数年ぶりに大河ドラマを見ているのです。わずか50石取りの足軽から、土佐24万石の1国1城の主へと、夫・一豊を大出世させた「内助の功」の鑑といわれる賢夫人の話は興味あるじゃないですか。

仲間由紀恵の演じる千代は、完璧すぎて圧倒されてしまいます。同性に嫌わるのではないかと心配してしまうほどですが、ドラマは楽しく見ていますよ。

2006/5