りぼんの読書ノート

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聖骸布血盟(フリア・ナバロ)

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キリストの遺骸を包んだといわれる「トリノの聖骸布」。キリストと同じ箇所に傷跡や血痕が浮かび上がっているのですが、最近の調査では13世紀の布と特定されてしまったようです。

これは、聖骸布を巡る争いが2000年も続いているというお話。イエスの死後、エデッサ(現トルコ西部)で保管されていた聖骸布ビザンチン帝国に強奪され、それが更にテンプル騎士団の手に渡る。エデッサの教徒たちと、テンプル騎士団が今なお争っているというのです。本書では「なぜ聖骸布トリノ大聖堂にあるのか」とか、「なぜ13世紀の布なのか」という問題にも答えようとしています。

古代西洋史というのは、物語の宝庫ですね。無数に残る遺物や芸術作品から、何かひとつを取り出して、
由来や因縁にフィクションをまぶして、秘密結社を通じて現代にまで繋げると、お話ができちゃう。ダ・ヴィンチ・コード」のヒットで、こんな本も増えるだろうな。

でも、この本は、はっきり言って駄作です。人物が描けてないし、不自然な箇所が多すぎる。ラストだって、帯で言われているほど衝撃でもない。ヒロインの名前(ソフィア)まで合わせなくてもいいでしょうに。

2006/5