りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

まほろ駅前多田便利軒(三浦しをん)

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読み終わっての感想は「え~っ!これで直木賞!?」。そりゃ芥川賞は作品に、直木賞は作家に与えられるというけど、この人には『むかしのはなし』とかもっといい作品があるのに、これじゃちょっと・・。

ともあれ、紹介しておきます。東京のはずれにある「まほろ市」駅前にある便利屋を営む多田。そこに飛び込んできた昔の同級生・行天。その行天クンが大の変人で高校時代は全く喋らなかったのに、今は至って饒舌。それでも何を考えてるのか予測不可能。2人ともバツイチという共通点はあるのですが・・。

このコンビが巻き込まれるしようもない事件を通じて、かつて起きたある事件以来、多田が行天に感じていた後ろめたさや、離婚した妻や亡くした息子への感情がほぐれていきます。

でも、それだけの話。娼婦や不良学生がからむ事件も決して奇抜ではないし、登場するキャラだってありきたり。図書館での人気は凄くて、長いこと待たされたのに、これじゃちょっと・・。ちなみに「まほろ市」とは著者が在住する町田市だそうです。

2006/12