りぼんの読書ノート

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プリズンホテル夏(浅田次郎)

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浅田次郎さんの痛快爆笑任侠小説です。極道小説作家・木戸孝之介は、叔父さんからホテルに招待されます。ところが叔父さんがオーナーになったこのホテル。番頭さんには小指が無く、バーテンは元ヒットマン。通称「プリズンホテル」といって、客は任侠団体オンリー。そこは、「極道の極道による極道のためのホテル」なんですね。そうそう、叔父さんだって、武闘派の組長だったのです。

ごく稀に迷い込んでくる堅気の客は、「館内ロビー・廊下での仁義の交換はご遠慮下さい」との注意書きに普通はまず、ビビッちゃうのです。そこに天才シェフだったのに、集団食中毒で左遷された料理長と、
これまた大失敗で左遷されてきた、熱血ホテルマンがからみます。

そんなハチャメチャな設定なのですが、そこは「泣かせの浅田次郎」。しっかりと「お涙ちょうだい」のストーリーを盛り込んでくれる。「夏」からはじまって、「秋」「冬」「春」と続きますが、やっぱり最初の一冊が一番おもしろいな。あとはちょっとマンネリ。何も考えずに笑える、浅田さん初期の傑作コメディですよ。^^

(クラブの「しりとり」で)