電車に乗るときには、キップを失くしてはいけません。駅から出られなくなってしまうから・・。
キップを失くした子どもたちは、東京駅の構内にある秘密の部屋に連れて行かれます。そこは、駅から出られないステーション・キッズたちが暮らす場所。トム・ハンクスの「ターミナル」みたいな話ですよね。でも、こちらはファンタジー。まぁ、あちらもファンタジーのようなものですが。
ステーション・キッズたちは乗客には見えない。彼らの仕事は、都内のJR各駅に行って、電車の乗り降りに苦労している子供たちを助けること。緊急の場合には、時間を停めるパワーまで授かってしまう。
彼らは、人に頼らず、自分で考えて行動することを学ぶのですが、ミイちゃんという女の子だけは、みんなと違っていました。彼女は、電車事故で死んだせいで駅から出られなかったのです。主人公のイタルたちは死について考え、ミイちゃんを救おうとするのですが・・。
いわゆる「イニシエーション本」なのでしょうが、ステーション・キッズの秘密が明かされるくだりはともかく、生死について語り始めてからが、だいぶタルい。子供向けにも薦められる内容の本かもしれませんが、わかったような綺麗ごとは言って欲しくない。素直に読めなくて、ゴメンなさい。
2005/9