りぼんの読書ノート

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退屈姫君伝(米村圭伍)

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ピデコが紹介していた「なんちゃって江戸もの」は、同じ著者の別の作品ですが、ティストは一緒じゃないかな。

東北の大藩から四国の小藩に嫁いだ姫君が大活躍。美貌ながら生来のいたずら好きな「めだか姫」が、殿が国元に戻っている間に、なんと田沼意次と対決。藩の秘密を探る幕府のお庭番や、少女くの一、さらには長屋の町民や、大藩の父上まで巻き込んで、藩の命運と姫の貞操をかけた大勝負のはじまり~。^^

よく某国営放送でやってる「お気楽時代劇」のノリですね。ハッピーエンドなのは、言うまでもないでしょう。最後には、将軍様まで味方につけちゃうんですから。

この種のお気楽ストーリーは昔からあって、いつの時代も大衆の不満のハケ口的だったようです。太郎冠者が権力者をからかう「狂言」あたりがルーツでしょうか。西欧にも「ファルス」の伝統がありますしね。今の時代でも、こういうものは必要ということなのでしょう。

2005/9