りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

女の議会(アリストファーネス)

イメージ 1

ギリシャ悲劇」のあとは「ギリシャ喜劇」の代表作を。先の『オイディプス』からは、数百年あとの作品です。短い戯曲なのですが、旧字体と脚注の多さにめげそうになった・・。さすがに岩波文庫です(謎)。

古代の民主社会の理想のように言われているアテネですが、女性の地位は低く、政治や社会への進出は許されていませんでした。それを逆手に取った喜劇です。男装して議場に忍び込んだ女性たちが、政権を男性から奪い、これからは女性だけが投票権を持つという決議を通すんですね。

それだけでなく、彼女らは、完全な共産制も決めちゃうのです。全ての私有財産を国家に寄付しなさいってね。さらに結婚と家族まで否定して、女性は共有。子供も共有。ところが若くて綺麗な女性を抱く前には、婆さんや醜女を抱かないといけないと決めたもんだから、もう大変。大混乱のうちに幕となります。

終盤はちょっとたるくなるけど、構想はすごいですよね。2000年前に書かれたものと思うと、やはり驚きです。

2005/8