検屍官「ケイ・スカーペッタ」シリーズの最新作です。そう、このシリーズもずっと読み続けていたのでした。
ところが、1年前に出版された、前作「黒蝿」はアレッて感じ。ケイは若返っちゃってるし、死んだはずの恋人ベントンは実は生きていたし、その前の事件のほとんどが国際的陰謀のせいだったり、ストーリーに無理がありすぎだったのです。「このシリーズ、もういいや」とも思ったのですが、新作をまた手にしてしまいました。作者の名声と、読者の惰性です。^^;
この本は、久しぶりにシリーズの原点に返ったような内容。でも、読者もこの種のストーリーには慣れちゃったね。このシリーズの第一作は、映画「羊たちの沈黙」と同じ1990年。人の心の闇を覗き込むような、サイコパスものが一躍大ブームになった時。その中でも、魅力ある登場人物と、緻密なストーリー性とで、一躍超ベストセラー作家になった著者ですが、ちょっとスランプかな。
出版界の事情が許さないのでしょうが、次作までに、たっぷり充電してくれることを期待です。
2005/2