りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ワンス・アポン・ア・タイム(オデット・ビーン)

イメージ 1

現代アメリカで犯罪者を捜し出す賞金稼ぎとして生計を立てているエマのもとに訪れたのは、彼女の息子と名乗る少年ヘンリーでした。実はエマには、ハイティーンの時に出産して養子に出したまま忘れ去っていた息子がいたのです。

親子の再会劇と思いきや、ヘンリーはエマに、不思議なことを話すのです。実はエマは白雪姫の娘であり、魔女によって時を止められた町・ストーリーブルックに彼女のルーツがあるのだと。そして、自分の正体を知らぬまま暮らしているおとぎ話の主人公たちを救い出せるのは、エマだけだというのです。

その世界では、魔女が町長、白雪姫は小学校の先生、チャーミング王子は身元不明の昏睡患者、ルンペンシュティルツキンは不気味な町の名士、赤ずきんは食堂のウェイトレス、ゼベットは修理屋、コオロギのジミニーは精神科医と、さまざまなおとぎ話がごちゃまぜになっているというのだから、ややこしい。

しかし、魔女の呪いを解くことができるというエマが保安官に就任して、町の時間も動き出したようです。昏睡状態にあった青年は目を覚まし、町長の権威も揺らぎだしたかのよう。一方のおとぎの世界では、森に追放されて追剥になっていた白雪姫が、7人の小人や、実は狼族であった赤ずきんらと協力して、魔女に闘いを挑むのですが・・。

本書はアメリカのTVドラマを小説化した作品だとのこと。王子には実は正妻がいて、失踪した正妻の殺害容疑がエマにかけられたり、悪の化身のような魔女もまたエマによる救いを待っていたりと、小説としては盛り込み過ぎの感あるのですが、ドラマでならすんなり入りこめるのかもしれません。

2017/9