ドラマ化されたと聞いて、この作品が未読であったことを知りました。
屋根から落下した泥棒が、両親に逃げられた13歳の双子の男の子に助けられ、彼らのステップファザー(継父)にされてしまうという奇抜な設定でありながら、最後には「家族」の意味を考えさせられるという「家庭ミステリ」です。後に書かれた『理由』では、「擬似家族」がシリアスな問題なんですけどね。
「ステップファザー・ステップ」遺産を相続した双子の隣家に越してきた女性が鏡だらけの部屋に住んでいる理由は何なんでしょう。そしてその女性の正体は?
「トラベル・トラベラー」倉敷に似せて作られたまがい物の町の、複製ばかりの美術館に押し入った犯人の目的は、唯一価値のある本物の作品なのでしょうか。
「ワンナイト・スタンド」双子の教師もまた双子だった? 父兄参観に出席した男が見破った脅迫状の謎とは?
「ヘルター・スケルター」湖で発見された2組の白骨死体は誰なのでしょう。もしも双子の両親なら、かなり危ない事件の匂いが漂ってきますが・・。
「ロンリー・ハート」文通相手に握られた秘密をタネに強請られた妻が、お金の引渡し場所で見つけたのは、関係が冷え切っていた夫の死体だったのです。
「ハンド・クーラー」なぜか山形の新聞が、銀行マンの家に投げ込まれます。そんなことをする者の正体と狙いは?
「ミルキー・ウェイ」双子の親が帰ってきた・・と思ったら、双子はそれぞれ別の犯人に誘拐されていました。擬似親子の仲は、本当の親子関係を超えるのでしょうか・・。
2012/2