りぼんの読書ノート

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うそうそ(畠中恵)

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しゃばけ』シリーズの最新作です。第1巻以来の久々の長編。病弱な若旦那の一太郎が、箱根に湯治に行くことになりました。

「箱根に行くくらい、簡単だろう」って? このシリーズを読んでいる人なら、日本橋の外へでることもままならない一太郎が、箱根へ遠出することが、途轍もないことだとわかりますよね。若旦那を見守る手代の犬神と白沢(強い妖怪です)の心配を他所に、遊び相手の妖怪・屋鳴(やなり)は、大はしゃぎ。

もちろん、事件が起きないはずはありません。頼りになるはずの手代たちは、いきなり行方をくらませてしまうし、一太郎を誘拐しようという謎の侍が現れたり、天狗に襲撃されたり・・。そして、頻発する謎の地震

実は、箱根のある村に伝わる悲しい伝説の主人公だった比女様が、人間界で「うまく」暮らしている一太郎をやっかんでいたのです。彼女は、人間界でも神界でも、適応できていない少女だったんですね。

いつもながらの大江戸不思議ミステリーですが、読後感は爽やか。一太郎のたもとに潜む、臆病な小鬼の屋鳴たちが、今回も活躍。こいつら、結構可愛いかも。^^

タイトルの「うそうそ」とは、キョロキョロ、ウロウロする様子のことだそうです。「かわうそ」とは関係ないのかなあ。あいつら、めちゃくちゃ「うそうそ」してますが。^^

2006/8