りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

アッコちゃんの時代(林真理子)

イメージ 1

「秘密のアッコちゃん(古い~)」かと思ったら、全然違ってました。80年代末~90年代初のバブル期に、「時代の寵児」であった女性をモデルにした、ノンフィクションに近い小説だそうです。

「地上げの帝王」と称される男の愛人となり、有名レストランの御曹司を元女優の妻から奪い取って、世の女たちの羨望と憎悪を浴びた女子大生が、伝説の小悪魔・アッコちゃん。この小説では、「男を奪ったことはない。男が私を求めるのだ」として、彼女自身が時代に流された被害者でもあったかのように描かれますが、美女に厳しい林真理子さんとしては、珍しい。^^;

「アッコちゃん」じゃなくても、バブル期というのは凄かったようですね。女子大生が綺麗だというだけで、リッチな食事、高級品のプレゼント、海外旅行や、果てはマンションまで貰えたなんて。男が金を持つと、美女をはべらせたくなるものなのでしょうか。彼らにとって、女性の価値とはそれだけなのでしょうか。

もちろん、見返りに「あげるもの」もあったわけです。同年代の男子学生から「君たち、もうまともな結婚はできないよ」との捨てゼリフを浴びせられたというのも、当然ですよね。バブル時代に不当な高みにまで上昇してしまったものは、土地や株だけではなかったという、お話でした。バブル未経験の私にとっては、実際に起こったとはとても信じられない、異次元の出来事なのですが・・。

2006/8