りぼんの読書ノート

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魔術師(ジェフリー・ディーヴァー)

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四肢麻痺で、小指しか動かせない科学捜査官「ライム」が主人公。恋人兼助手の警官アメリアが実捜査を受け持ち、コンビで問題を解決。初めて読みましたが、ミステリーシリーズの5作目だそうです。『ボーン・コレクター』や『コフィン・ダンサー』もこのシリーズ。ホラーかと思って避けていましたが、タイトルは聞いたことがあります。

本書の連続殺人事件の犯人はマジシャン。巧みに人の気をそらす「誤導」の仕掛けや、縄抜け、鍵あけ、早変わりなどのプロのテクニックを駆使して、警察を出し抜きます。いずれも有名な「脱出イリュージョン」の手法で殺害されたのは、音楽家、メーキャップ・アーティスト、馬術家・・。魔術の心得のない被害者たちは、もちろん脱出などできないのです。

サーカスの火事で、自分の将来と妻を失った天才マジシャンは、前の雇い主が成功させた「シルク・ド・ファンタスティーク」というサーカスを狙っている・・と思わせて、これも「誤導」のテクニック。犯人の真の狙いはどこにあるのでしょう。

とまぁ、こういうストーリーなのですが、身体を動かせない天才と、アクション派女性との組み合わせは、TVドラマの「ダーク・エンジェル(シーズン2)」を思わせてくれますね。二転三転するストーリーもマジックを見ているようです。「イリュージョン」の裏側も垣間見えて、おもしろく読めましたよ。

2005/9