りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

わたし、定時で帰ります。(朱野帰子)

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働き方改革」を実現するには、効率良く密度濃く仕事をこなしていくことが必要条件。でもそれを阻害する要因がいかに多いことか。会社勤め経験がある人なら、すぐに思い浮かびますよね。

 

ウェブ制作会社で働く30代の東山結衣は、入社以来ポリシーを持って定時で帰り続けているのですが、それが許されないような環境に陥ってしまいます。風邪でも出社する女性社員。産後に高速復帰して女性役員を目指す先輩。会社に住むようにして夜中にダラダラ仕事をする同僚。辞めたがる新人。最悪なのは無理な案件を通して無理な仕事を命じるブラック上司なのですが、ワーカホリックな中間管理職が防波堤となって、それをこなしてしまうのだから始末に負えません、しかもその男は、結衣の元婚約者なのです。

 

実は結衣は生産性が高いデキる女なのですが、彼女はどうやってブラック上司に引導を渡して職場を改革していくのでしょう。そして元婚約者との関係はどうなってしまうのでしょう。無理な仕事が「インパール作戦」と比較されるのはおぞましいのですが、そのくらい「死地」ということですよね。吉高由里子さん主演のTVドラマは見ていませんでしたが、この作品にふさわしい配役に想えます。

 

2019/8